パリ近郊のランドネルートを探しているときによく目にしていたのが、Crécy-La-Chapelleという小さな村。Grand Morin川から水を引いた水路が美しい「プチ・ヴェニス」とも呼ばれる村です。5月のランドネツアーでは、このCrécy-la-Chapelleを通る、Grand Morin川の両岸を歩きに出かけました。美しい麦畑、川沿いの景色と可愛らしい村と、変化に富んだ景色を楽しみました。動画は記事の下部にあります。
Île-de-France東部の広大な麦畑を歩く。
「日の当たる農地を歩くので、日差し対策を十分にしてください」
参加者への案内文に何度か書いたメッセージだ。パリから30分も電車に乗ると、車窓の景色は都市部から農村部へ変わる。特に東部は本格的な農地で、広大な麦畑や名の花畑が広がっている。こうしたフィールドではいつも歩く森の中とは違って、日差しをダイレクトに受ける。
当日の朝は曇り空。今回のコースを歩くには最適な条件となった。
Gare de l’EstからP線を乗りついで、約1時間。Villiers-sur-Morinという小さな駅に降りた。早速ここから、Grand Morin川右岸の丘を登る。突然の上り坂に驚いた方もいたようだが、5分も歩けばすぐに坂を登りきり、麦畑に出る。農道では地元の方々が走っていたり、犬と散歩をしたりしている。フランスの田舎では珍しくない景色かもしれないが、なだらかな丘陵地になびく麦畑はとても美しい。また、川を底辺に谷なっている地形がよくわかる。
麦畑を東に横断するとCrécy-La-Chapelleの“上”に出る。麦畑の間の道を降りて“下”に降りる。中心部の水路の通りを眺めながら、川を渡ってランチスポットまで歩く。もちろん歩くのが目的だが、それと同じくらいランチタイムは重要だ。屋外でのリラックスした時間は、外遊びの醍醐味ともいえる。
教会が見える川沿いに気持ちの良い芝生の広場を見つけたので、そこでお昼をとることにした。屋根がついた可愛いベンチが3基あり、広場の中央には大きな木が陰を落としている。柔らかい風がふくピクニックには絶好の日和で、ここをゴールにして今日はお終にしても良いかもしれない、そんな気持ちになる心地よい時間だった。
芝生でのランチを楽しんだあとは、Crecy-La-Chapelleの村を訪ねた。ランチスポットから見えた教会を覗き、村のチャームポイントにもなっている水車を見た。
村から出て、再びのんびりとした農村部を歩く。
住宅街の横に農地が広がり、川が流れる。乳牛や厩舎もあった。フランスらしい長閑な風景だ。この景色の中を歩いているだけで、1週間の仕事の疲れやストレスを忘れてしまうから不思議だ。
スタート地点で降りた、Villiers-sur-Morinも、村の中心部を小川が流れる可愛らしい村だった。ちょうど、絵画のレッスンをしていて、子どもたちが教会の絵を一生懸命描いていた。
全部の行程で12kmほどだっただろうか。4時間ほどの行程で出発した駅に到着。ところが帰りの電車が来るまで、なんと50分の待ち時間。川沿いを少し散歩に出かける人もいれば、ホームでのんびりおしゃべりしながら待つ人も。フランスの夏は日が長い。こんな時間も楽しんで過ごせばいいのだ。
フランスを中心にヨーロッパでのハイキング、トレイルランニングなどの外遊びにまつわる情報を伝えるサイトです。また、毎月パリ近郊でランドネイベントを企画・催行しています。